成果報告

2021年度ワーキング・ペーパー・シリーズ No.4 / 林 載桓 (青山学院大学)

2021.07.14wed

「中国モデル」に競争力はあるか: 国家資本主義の進化と「軍民融合」戦略
Can “China Model” Compete? Evolving State Capitalism and Military-Civil Fusion Strategy

本稿の目的は、中国共産党が強力に推進する「軍民融合」戦略に焦点を当て、技術革新をめぐる米中体制競争の展開を理解することにある。本稿は、中国の政治経済の変遷に関する考察に基づき、同戦略をハイテク産業全般の競争力向上に主眼を置く新種の産業政策として理解すべきと主張する。具体的に、現政権の手法には、政策動機、政策措置の範囲と内容、そして政策実施のための制度配置といった重要な側面において、過去の取り組みと大きな相違があることを示す。政策効果に関しては、政治、行政、経済的資源の動員に向けた広範な努力にもかかわらず、現時点では国防と民間企業の競争と協力を促すという当初の期待に遠く及ばず、技術の向上と革新に対する見通しが依然として不透明であることを、関連する政策文書から独自に作成したデータセットを用いて示していく。