• 政策提言

    No.32

    グローバル・コモンズ・センター

グローバル・コモンズを守るためのエネルギー、土地利用、生産および消費の変革に関する提言

政策提言の背景

東京大学グローバル・コモンズ・センター(CGC)とポツダム気候影響研究所(PIK)は、グローバル・コモンズを守るためのエネルギー、土地利用、生産および消費の変革に関する報告書 “Transforming human systems to safeguard the Global Commons”を発表しました。

人類の活動により、すでにいくつかの地球システムがプラネタリー・バウンダリーによって定義された限界値を逸脱しています。しかしながらエネルギー、土地利用、生産および消費パターンの変革を協奏的に実施できれば、気候、氷床、海洋、オゾン層、陸上生物圏すべてを保護し、グローバル・コモンズ(人類の繁栄と安全の土台である、安定的で回復力のある地球システム)の完全性を維持し、「プラネタリー・バウンダリー」の安全領域に留まることができます。グローバル・コモンズ・スチュワードシップに関するこの新しい報告書は、グローバル・コモンズセンター(CGC)とポツダム気候影響研究所(PIK)によって協働イニチアチブの成果として作成され、これらの変革がもたらす影響と、それらが互いにどのように影響し合うかについて統合的に評価したものです。

本書は、人類の活動とシステムをそれぞれ変革することでグローバル・コモンズの劣化傾向を逆転させ、2050年までに地球システムをプラネタリー・ バウンダリーに極めて近いレベルか、その安全領域内に収めることができると述べています。主な対策としては、再生可能エネルギーによる電力の急速な脱炭素(カーボン・ニュートラル)化、公共交通機関の電化、持続可能な食生活へのシフト、食品廃棄物の半減、鉄鋼、セメント、化学セクタ―における材料効率の向上などが挙げられます。また、グローバル・コモンズを効果的に保護するためには、統合的で包括的な政策デザインが必要であると指摘しています。

本政策提言は、CGCが2020年から実施してきた、海外パートナーとの協働イニシアチブである「グローバル・コモンズ・スチュワードシップ・イニシアチブ(Global Commons Stewardship Initiative)」の活動の一環として作成されました。

Transforming human systems to safeguard the Global Commons:
https://cgc.ifi.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2024/03/GCS_report_2024.pdf

この政策提言は、東京大学未来ビジョン研究センター グローバル・コモンズ・センターの研究成果の一つです。全文は以下よりダウンロードいただけます。