未来ビジョン研究センターについて

東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)は、2019年4月、政策ビジョン研究センターと(PARI)と国際高等研究所サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)の両部局が発展的に統合する形で設置されました。東京大学の持続可能な開発目標(SDGs)に向けた取り組みの枠組みである未来社会協創推進本部(Future Society Initiative, FSI)の中核的組織として位置付けられます。IFIは、持続可能な未来社会を創造するために、未来社会の諸課題に関する政策・社会提言ならびにそのための社会連携研究を行います。また未来社会に関連する大学の知見を統合する国際ネットワーク・ハブおよび産官学民との協創のプラットフォームとしての役割を果たし、研究に基づいた未来社会を実現する選択を示すとともに、それを担う人材の育成にも貢献します。

設立の背景

現代社会は、様々な課題に関して社会の公共財としての大学を一段と必要としており、大学の知見を統合するネットワーク・ハブ、また社会と大学をつなぐプラットフォーム機能の強化を要請しています。科学技術の進展・グローバル化による経済拡大に伴って、環境破壊や資源枯渇は深刻化する一方であり、地域格差、宗教対立、難民問題、金融危機などの課題は複雑化しています。こうした中、国際社会は持続可能な開発目標(SDGs)を打ち出し、抜本的な対策を打ち出し始めており、具体的な取り組みが国内外の産官民で始まっています。大学も複雑化する社会課題の対応のために、課題解決のための学術知を今までに以上に総合的に、迅速に、なおかつ的確に創出し、社会に供することが期待されています。

そういった背景を踏まえ、未来社会に関する学際的研究および社会連携をさらに強力に推進するため、政策ビジョン研究センター(PARI)と国際高等研究所サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)が発展的に統合する形で、未来ビジョン研究センターを新たに設置しました。持続可能な開発目標(SDGs)や未来社会に関わる幅広い補完的な研究分野をカバーし、既に広範な国際ネットワークを有するPARIとIR3Sが統合することで、学術知のネットワーク・ハブおよび国内外の社会連携のプラットフォームとしての機能を強化します。

ミッション

東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)は、持続可能な未来社会を創造するために、未来社会の諸課題に関する政策・社会提言ならびにそのための社会連携研究を行います。また未来社会に関連する大学の知見を統合する国際ネットワーク・ハブおよび産官学民との協創のプラットフォームとしての役割を果たし、研究に基づいた未来社会を実現する選択を示すとともに、それを担う人材の育成にも貢献します。

アプローチ

私たちは未来ビジョンの構築・実現に向け、次の3つのアプローチで取り組みます。

  • Inclusive

    資源・環境問題や金融・財政危機、社会・技術格差など既に顕在化しているリスクや課題のみならず、将来にわたる潜在的なリスクや課題に対しても、体系的な学知や丹念な社会調査、深い洞察力をもとに掘り起こすことで、現在の社会・経済的な制度の中で排除され、力を生かす機会を得ていない将来世代をも含む社会の構成員を包摂する未来社会像を提示します。

  • Fundamental

    健康・医療や、エネルギー・資源問題、安全保障といった個別具体的な問題の解決や、先進的な技術が形作る未来社会像の提示に取り組むのみならず、人間らしさとは何か、社会とはどのようにあるべきかといった本質的かつ規範的な問いに向き合い、未来ビジョンを描くための学知の創生および体系化に取り組みます。

  • Innovative

    異なる価値観や社会像のトレードオフを打破し、よりよい未来社会を創造するための科学技術、社会・産業構造、未来ビジョンの提示に取り組みます。また、産官学民との協創のプラットフォームを構築し、未来社会ビジョンの実現に向け超学際的に取り組みます。

メッセージ
旧組織について
  • 政策ビジョン研究センター(PARI)

    政策ビジョン研究センター(PARI)は、東京大学が有する知的リソースを統合し、時代の諸課題の解決を目指した政策研究を行い、その成果を社会に発信していくことを目的として、総長室総括委員会下の機構として 2008年に創設され、2013年には全学センターとして再スタートしました。7研究部門において医療・健康、リスク・技術ガバナンス、イノベーション政策、安全保障、大学と社会、持続可能な開発目標(SDGs)に関連する課題について研究を進め、未来社会のための政策選択肢を描き政策提言を進めてきました。
    過去の活動はアーカイブサイトでご覧いただけます。

  • サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)

    国際高等研究所サステイナビリティ学連携研究機構(IR3S)は2005年に設立され、東京大学内部および国内外のサステイナビリティ学のネットワーク・ハブとして、持続可能性に関わる学際融合的な研究・教育を推進してきました。国際学術誌Sustainability Scienceを創刊し、持続可能性に関する大型国際プロジェクト Future Earth の研究活動・事務局の一部を担っており、国際的にも重要な研究・教育活動に取り組んできました。過去の活動はアーカイブサイトでご覧いただけます。