• 論文

    孫輔卿 未来ビジョン研究センター特任准教授
    飯島勝矢 未来ビジョン研究センター教授

孫輔卿特任准教授と飯島勝矢教授らの研究論文がGeriatr Gerontol Int に掲載されました

本研究では、高齢者が期待する医療の優先順位のなか、QoLを3つの側面、1)「日常生活の質」、2)「生まれてから死ぬまでの満足感・幸福感」、3)「人間としての活力」(それぞれ日本語で「生活」「人生」「生命」)で定義分けした場合、医療の優先順位に及ぼす影響を検討しました。柏スタディの参加者(千葉県柏市在住65歳以上の高齢者、1550名、平均年齢76.1±5.8歳、女性699名[45.1%])を対象に自記式質問票を用いた調査を行いました。

その結果、医療に対する上位3項目は、「効果的な病気の治療」、「身体機能の改善」、「高い活動性の維持 」であり、QoLを「日常生活の質、生まれてから死ぬまでの満足感や幸福感」、「人間としての活力」と定義した場合、参加者はQoLの改善を上位3項目の1つに挙げる傾向が有意に高いことがわかりました(調整オッズ比、1.46;95%信頼区間、1.03-2.05)。したがって、高齢者は医療に対する優先事項として、「人間の活力を含む多方面の生活の改善を望んでいることが分かり、医療提供者は、医療を決定する際にこの点を考慮すべきであると言えます。

タイトル:


Medical care priorities of community-dwelling older adults according to three dimensions of quality of life: quality of daily living, satisfaction and happiness from birth to death, and human vitality

共同研究者:


Tanaka T, Akishita M, Kojima T, Son BK, Iijima K.

ジャーナル:


Geriatr Gerontol Int 2024;24(5):493-498.
DOI: 10.1111/ggi.14870.

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東京大学未来ビジョン研究センター
教授 飯島勝矢