• 論文

    山野 泰子 未来ビジョン研究センター講師

山野泰子講師らの論文がPLoS ONEに掲載されました

ヒトの筋骨格系ネットワークは、多種多様な構成要素が相互に作用しあう複雑なシステムです。人体の各部分を構成する要素やそのつながりについては多くの解剖学的知見がありますが、システム全体としての要素の相互依存性についてはまだ解明されていない部分が多く残されています。骨と筋肉のつながりは通常のネットワーク分析で用いられるような、1対1の結合関係で表されるネットワーク(ペアワイズ)にはなっておらず、一つの骨が複数の筋肉につながっていたり、一つの筋肉が複数の骨につながっているような、多対多の結合関係を有しています。

そこで本研究では、要素間の複数の接続を同時に表現できるハイパーグラフを用いて、筋骨格系のモデル化を試みました。筋肉と骨の間の接続を、ハイパーグラフおよびペアワイズモデルに基づく埋め込み表現として学習し、両者の表現力を比較した結果、ハイパーグラフベースの手法が異なる身体部位を接続する筋肉の特定の役割を区別する上で、ペアワイズ法よりも優れていることが示されました。

タイトル:


Hypergraph modeling of complex interactions: Applications from human musculoskeletal structures to complex system dynamics

著者:


Yamano H, Liu S, Toriumi F

ジャーナル:


PLoS ONE 19(11): e0310189.
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0310189

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東京大学未来ビジョン研究センター
講師 山野 泰子
https://ifi.u-tokyo.ac.jp/people/yamano-hiroko/