UTokyo-Cambridge Voices: Global Risks and Public Policy

  • 日程:
    2020年11月30日(月)
  • 時間:
    17:00-19:00
  • 会場:
    ZOOMでのオンライン開催となります
  • 題目:

    UTokyo-Cambridge Voices: Global Risks and Public Policy

  • 言語:

    英語

  • 主催:

    東京大学公共政策大学院(GraSPP)
    東京大学未来ビジョン研究センター安全保障研究ユニット(SSU)
    ケンブリッジ大学

  • 登録方法:

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概要

COVID-19, climate change, AI and geopolitical tensions are but manifestations of a long list of complex global risks the world faces. The World Economic Forum’s Global Risks 2020 report urges that “stakeholders must find ways to act quickly and with purpose within an unsettled global landscape”. This session brings together researchers from the Universities of Cambridge and Tokyo to present ongoing projects on global risks and the ensuing implications for policy.

講演者

Dr. Clarissa Rios Rojas (Research Associate at the Centre for the Study of Existential Risk(CSER), The University of Cambridge)

イー・クアン・ヘン(東京大学公共政策大学院教授)

城山 英明 (東京大学未来ビジョン研究センター副センター長・公共政策大学院教授・法学政治学研究科教授)
モデレーター/コメンテーター

東京大学未来ビジョン研究センター安全保障研究ユニット(SSU)と公共政策大学院(GraSPP)は、東京大学・ケンブリッジ大学間の戦略的パートナーシップの一環として、ケンブリッジ大学Centre for the Study of Existential Risk(CSER)との共催により、「Global Risks of Public Policy(公共政策のグローバルリスク)」をテーマに討論会を開催しました。CSERリサーチアソシエイトのClarissa Rois Rojas氏と公共政策大学院のイー・クアン・ヘン教授の2名が講演者として参加し、公共政策大学院・法学政治学研究科の城山英明教授がモデレーターを務めました。

まずRios Rojas氏がCSERの中核ビジョンについて語り、新たな分野であるとともに極めて実務的な課題である「リスク管理」に取り組む様々なステークホルダーにプラットフォームを提供することを目指していると強調しました。CSERは主要なパートナーを対象に、グローバルリスクに関する科学的研究の進め方や、様々なレベルの政策立案者との関わりについてワークショップを開催しています。これに対してヘン教授は、近年は科学と政治の関わりが密接化していると指摘しました。先日の米国大統領選挙では、著名な学術誌『ネイチャー』がバイデン氏支持を表明しています。またヘン教授は、ブリュッセルで起きた気候変動への抗議活動の中で、活動家が一般市民に向けて「私たちはふたつの『悪』の間で選択を迫られている。すなわち、地球温暖化と新型コロナウイルスだ」と警告したことについても言及しました。英国ではボリス・ジョンソン首相が「新型コロナウイルスに関する決定は科学に従ったものだ」と語りました。

リスク分析を始める国が増えています。例えば英国とシンガポールの2カ国は、公共政策大学院で研究を行いました。ヘン教授は気候変動リスクに加えて、AI誤情報とオンラインリスクの問題についても指摘しました。 政策立案者は専門研究者との密接な協力のもとで、悪意あるAIの使用を調査し、回避し、低減する必要があります。

Rios Rojas氏は、連携や協働が非常に重要になるだろうと強調しました。新たなリスクに対処するには、基本的に学術界と政府の連携が重要です。例えば環境破壊は環境だけの問題ではなく、様々なステークホルダーに関係し得る問題です。城山教授から、専門家間の協働がこれまで以上に難しくなっている点について質問があり、さらにヘン教授は、リスクのランク付けにおいては認知バイアスという危険もあり、「公式な」ランキングを盲目的に信頼してしまう人がいると補足しました。Rios Rojas氏は、だからこそ様々な分野から様々な訓練を組み合わせることが重要であると強調し、多様な背景によって研究の公平性の維持が可能になることがその理由だと述べました。

討論会では、政策移転を可能にするための最適な方法、知識の交換、選挙サイクルの影響について議論が行われました。城山教授は、公共政策大学院は政府に関与・貢献するための試みの一例であると述べ、政府が出資する取り組みとのパートナーシップを例に挙げました。

※本研究会は、外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金により開催いたしました。