ウェビナー:アフリカでのAIガバナンスに関する企業や政府での取り組みから日本が学べること
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日程:2023年03月03日(金)
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時間:16:00-17:30 (JST)
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会場:オンライン (Zoom Webinar)
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主催:
東京大学未来ビジョン研究センター
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共催:
日本電気株式会社
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言語:
英語(日英同時通訳あり、Q&Aは日本語でも受け付けます)
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参加申込:
要事前申込み。
※ZoomURL情報は、3月2日(木)午後にお申込みの方にメールでお送りしました。メールが届いていない方はifi_tg@ifi.u-tokyo.ac.jpまでご連絡お願いいたします。
※未来ビジョン研究センターは、本イベントのZoomURL情報を提供するため、また、今後の活動についての情報を提供するため、皆様の個人情報を収集させていただいております。この情報はいかなる第三者にも開示いたしません。
AIという言葉で連想する地域や国をイメージする際にアフリカ各国のことをイメージすることは少ないでしょう。しかしながら、アフリカの南アフリカ・ナイジェリア・ケニア等では特にAIを活用したビジネスシーンをリードして盛り上がっている最中にあります。
テクノロジー関係の情報は欧米や中国等の固定の地域や国から発信されたものに私たちは関心を寄せてしまうことが多いです。今回のイベントでは普段あまり着目されないアフリカのAI開発や導入の現状にスポットライトをあて、主に南アフリカで活動されている専門家に話題提供いただきます。政府・公的機関・企業でのAIやデータ活用における倫理性、安全性、責任に関する枠組みやガイドライン作りに関して現状と課題をお話しいただきます。
本イベントの後半のパネルディスカッションでは、日本がアフリカにおけるAI倫理やガバナンスにおける取り組みにおいて参考にできる点を掘り下げていきます。
【参考資料】
AI EXPO Africa 2022 カンファレンス参加報告書
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16:00-16:10開会挨拶&イベント背景
鈴木 健(東京大学未来ビジョン研究センター特任研究員)
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16:10-16:25「アフリカでのAIの倫理的活用の実現向けた取り組みについて:Data and tech attorney at Michalsons」
Nathan Ross-Adams
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16:25-16:40「AIやテクノロジー分野における日本とアフリカの共通点」
Deshni Govender
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16:40-16:55「ケニアでのAI活用の実態と責任ある活用に向けた取り組みに関して」
Mark Irura Gachara
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16:55-17:05質疑応答
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17:05-17:25パネルディスカッション
テーマ:「欧米だけではなくアフリカからも日本はAI規制やガバナンスにおいて学べることは多いのでは?」
モデレーター:鈴木 健(東京大学未来ビジョン研究センター) -
17:25-17:30閉会挨拶
城山英明(東京大学未来ビジョン研究センター教授)
ネイサン=ロス・アダムズ|Nathan Ross-Adams
ネイサン=ロスは、アフリカの企業や政府が信頼されるAI(Trustworhty AI)の設計、開発、実装を支援しています。法律的、ビジネス、テクニカルな見識を組み合わせて、クライアントと協力し包括的でで持続可能なソリューションの実現に貢献しています。このようなソリューションを策定する最善の方法は、没個性的な法的設計におけるコラボレーション、明確なコミュニケーション、およびシンプルな法的文書であると考えています。ネイサン=ロスは、グローバルな法律事務所であるミケルソンズの4IR(第四次産業革命)を専門とする弁護士からなるチームに所属しています。クライアントには、データ、テクノロジー、広告会社、政府、ソフトウェア、ハードウェア、ロボット、バイオテクノロジー、製薬、電気通信、エネルギー等の多様な企業がいます。また、ヨハネスブルグ大学でAIと法の講義を担当しています。ネイサン=ロスの執筆・学術活動は、アフリカの新興技術法の議論において大きく貢献しています。
上記の活動以外にも、南アフリカの情報規制当局のパネリストを務め、AIと法に関するアフリカや世界の複数の会議で講演を行ってきました。
デシュニ・ゴベンダー|Deshni Govender
Deshni Govenderは、経験豊富な弁護士であり、全ての人にとってより包括的で公平な人工知能業界を作るための尽力し実績を持つAI専門家です。法律、金融サービス、テクノロジーを合わせて10年以上の経験を持ち、人工知能の国際開発にユニークな視点とスキルを提供しています。
現在、ドイツの主要な国際開発機関であるGIZ(Deutsche Gesellschaft für Internationale Zusammenarbeit)の南アフリカ担当として、公共および民間セクターにおける人工知能に倫理的でオープンかつ持続可能なアプローチを促進するプログラムの設計と実行を担当しています。これは、ヨーロッパ連合(EU)-アフリカ連合(AU)の協力を進めることで、汎アフリカ的なデジタル化というアフリカ連合の目標を実現することを目指しています。彼女は、アフリカのAIを民主化することを目標としています。
RAIL(Responsible AI Licences)ワーキンググループの一員として、Responsible AI Licencesの理解と利用を促進し、倫理的なAI開発のためにこれらのライセンスの法的理解と解釈を改善するために、スキルと専門知識を提供するボランティア活動を行なっています。GIZ内では、GIZ Diverse Women in Techネットワークを共同設立し、100 Brilliant Women in AI Ethics 2022を受賞しました。Deshniは、テクノロジー業界における多様性と男女平等のためのチェンジメーカーとして活躍してきました。南アフリカのヨハネスブルグ大学で法学修士号を取得しています。
マーク・イルラ・ガチャラ|Mark Irura Gachara
マーク・イルラはケニアを拠点とするテクニカルリードで、世界銀行、ユニセフ、USAIDなどの二国間および多国間開発機関や、アフリカ東部および南部の政府省庁に対してエンドツーエンドのデジタル化の実装を主導した幅広い経験を有しています。主にアフリカ東部および南部で10年以上の経験を持ち、大規模なM&Eプラットフォーム、税関と国内税システムの実装と管理、オープンデータとオープンコントラクトの分野における拡張性のある技術ツールの評価、データの可視化と管理のための包括的なデータモデルとエンタープライズソフトウェアツールの設計を担当しました。最近では、Deutsche Gesellschaft fur internationale Zusammenarbeit (GIZ) [German Federal Ministry for Economic Cooperation and Development (BMZ)に支援されている組織]で人工知能(AI)に焦点を当てたグローバルプロジェクトに従事し、地域独自のデータと地域に沿ったアプローチを使ったローカルAIソリューション作成を促進することに取り組んでいます。担当するプロジェクトでは言語関連のテクノロジー(特にスワヒリ語やその他の現地言語)に焦点を当てたソフトウェア開発や、気候変動問題を解決するためにAIの使用を奨励するためのユースケースの実装を行なっています。
東京大学未来ビジョン研究センター
AIガバナンスプロジェクト事務局
E-mail: ifi_ai★ifi.u-tokyo.ac.jp(★→@に置き換えてください)
2023年3月3日(金)に東京大学未来ビジョン研究センター主催、日本電気株式会社共催で「アフリカでのAIガバナンスに関する企業や政府での取り組みから日本が学べること」と題したオンラインイベントを開催しました。
AIや最先端のテクノロジーとの関連性や話題性の高い国や地域を連想すると、大抵の場合はアメリカやEU加盟国を筆頭とする西欧地域の政府や企業をイメージすると思います。しかしながら、デジタル化や先端テクノロジーを活用したイノベーションの推進は欧米に限らず、世界中の政府が主体となって推進しています。テクノロジーの社会的な実装を行っていく過程で見落としてはいけない観点として、倫理性や社会的に責任のある活用というコンセプトがあります。AI倫理を政府や企業で実践していくための政策・法整備・ガバナンスも欧米諸国だけではなく、中東、アフリカや、アジア圏でも独自のビジョンや価値観に沿って形成されてきています。
本イベントでは、2022年9月に南アフリカで開催された『AI EXPO Africa 2022』に特任研究員(当時)として鈴木健が現地でネットワーキングを行った際に交流したアフリカ地域やAI倫理ステークホルダーを3人ゲストスピーカーとして迎えて基調講演とパネルディスカッションを行いました。