SSUフォーラム「地政学的競争下の産業政策と通商秩序」

  • 日程:
    2024年09月24日(火)
  • 時間:
    16:00-17:10 (JST)
  • 会場:
    東京大学 本郷キャンパス 東洋文化研究所 3F 大会議室 (対面開催のみ、オンラインはありません)
    MAP
  • 主催:

    東京大学未来ビジョン研究センター 安全保障研究ユニット

  • 言語:

    日本語(英語同時通訳なし)

  • お申込み:

    下記お申込みフォームよりお申し込みください。

    ※定員になり次第、受付を終了させていただきます。あらかじめご了承ください。東京大学未来ビジョン研究センターは、今後の活動についての情報を提供するため皆様の個人情報を収集させていただいております。この情報はいかなる第三者にも開示致しません。

定員に達したため申込みを締め切りました。
概要

米中の地政学的競争の下で、通商紛争はどこまで激化し、通商秩序はどうなるのか。WTO加盟後の中国の産業政策と対外政策の推移、米国の対中政策と通商政策の転換及び供給網の強靭化を図る自国優先の産業政策の連鎖的拡大が無差別原則に立脚する通商秩序を流動化させてきた状況を概観し、今後の展望と日本の役割を考察する。

登壇者

基調講演:宗像 直子 (東京大学 公共政策大学院 教授)

司会: 佐橋 亮 (東京大学 東洋文化研究所/未来ビジョン研究センター 准教授)

※本フォーラムは、外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金により開催いたします。

9月24日、東京大学未来ビジョン研究センター安全保障研究ユニットは、宗像直子教授(東京大学公共政策大学院)を迎え、セミナーを開催しました。佐橋亮准教授(東京大学東洋文化研究所)の司会のもと、米中の地政学的競争の下での産業政策と通商秩序についての基調講演と質疑応答が行われました。

基調講演
冒頭、講師より、今日の通商秩序の動揺について、大国のルール違反という現象に注目が集まりやすいですが、解決策を検討するにあたっては、ルールが時代の変化に応じてアップデートされないことで秩序が機能不全に陥る点に留意する必要があるとの問題意識が述べられました。
その上で、米国が自ら主導して築いた戦後の通商秩序を壊すかのような行動をとる背景を考察する材料として、中国のWTO加盟以降の米中関係の経緯が紹介されました。
具体的には、2000年代から本格化した中国の産業政策、WTO交渉停滞、習近平政権下の対外政策の変化、米国の対中政策と通商政策の転換、サプライチェーンの強靭化を図る自国優先の産業政策の連鎖的拡大などが通商秩序を流動化させてきた状況が概説されました。
また、米中対立の陰で目立たないものの、中国の産業政策が日本の産業に深刻な影響を与えている状況が紹介されました。
最後に、今後の国際秩序の展望に触れつつ、日本の取組(経済安全保障の要請を踏まえた重層的な通商政策、国力の増強等)が論じられました。

質疑応答
WTO等国際機関の役割や今後の国際的なルール形成の見通し、経済安保の要請とコスト削減を求めるビジネス上の要請のバランス、ロシアのウクライナ侵略の国際経済・通商分野への影響、国際通商ルールに合致しないような米国の動きへの対応、中国との向き合い方等の点について、聴衆からの質問を受けたやり取りが行われました。
*本フォーラムは、外務省の外交・安全保障調査研究事業費補助金により開催いたしました。