日独仏合同コンファレンス:AI for SDGs – 環境問題の解決に向けた人工知能(AI)の活用とは?

  • 日程:
    2019年10月24日(木)
  • 時間:
    10:00-18:15
  • 会場:
    ドイツ文化会館1階 東京都港区赤坂7-5-56
  • 主催:

    ドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京(DWIH東京)

  • 共催:

    在日フランス大使館、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)

  • 賛助:

    ドイツ外務省、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)

  • 協力:

    独立行政法人日本学術振興会(JSPS)、東京大学未来ビジョン研究センター

  • 言語:

    英語(日本語同時通訳付)

  • 参加申込:

    参加は無料・事前登録制となっています。
    参加希望の方はドイツ 科学・イノベーション フォーラム 東京(DWIH東京)のウェブサイトからお申込みください。

概要

地球温暖化が進み、水資源、気象、自然災害に対する気候変動の影響が深刻化している今日、その対策についての議論が白熱しています。また、IT技術の向上とともに、産・学・官の分野で、環境保護のためにIT技術を活用する新たな手段が模索されています。人工知能(AI)を、気候変動の解決、持続可能な都市の発展、クリーンエネルギーの供給にむけてどのように役立てられるかを議論することがますます重要になってきています。

2015年の国連サミットにおいて、持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。17の目標のうち下記の5つの目標が、我々人類に地球環境悪化防止のための行動を積極的に取るよう呼びかけています。
(7)エネルギーをみんなに そしてクリーンに
(11)住み続けられるまちづくりを
(13)気候変動に具体的な対策を
(14)海の豊かさを守ろう
(15)陸の豊かさも守ろう

10月24日(木)の国連デーに開催されるこのコンファレンスでは、ドイツ、日本、フランス三ヵ国からの専門家が東京に集い、環境問題に対してAIがもつ可能性についての講演及び意見交換が行われます。テーマは、持続可能な土地利用、スマート農業、スマートシティ、スマート交通システムなど様々な分野に及びます。

当コンファレンスは一般公開となっております。産学官の専門家の方々から一般の方々まで、ぜひふるってご参加ください。

プログラム・詳細

プログラムおよび詳細は、ドイツ 科学・イノベーション フォーラム東京(DWIH東京)のウェブサイト(英語のページに移動します)をご参照ください。

 

2019年10月24日(木)、ドイツ文化会館にて「日独仏合同コンファレンス:AI for SDGs – 環境問題の解決に向けた人工知能(AI)の活用とは?」が開催されました。人工知能(AI)やビッグデータを用いて、気候変動の影響に関するシミュレーションや予測を行うことで、深刻化する環境問題の解決が求められています。一方で、機械による意思決定には予想外の結果がもたらされるリスクもあります。

農業や都市といった個別の分野でも情報技術を用いた予測や意思決定は進められているため、消費者、企業、政策関係者など様々なステークホルダーとの調整も必要となってきます。場合によっては個人が消費者でありかつ企業の人間でもあるなど複数性を持つ場合もあります。そして、地球環境への影響を考える場合、私たち一人ひとりがグローバル市民でもあります。

本会議では、4セッションで様々な議論が展開されました。セッション1ではAIや環境政策に関わる日独仏の専門家が、それぞれの国の政策を紹介しました。パネルディスカッションでは特に我々が現在、環境的にも技術的にも移行期にいるということが再認識されました。技術と人、社会は相互作用しており、特に若い人たちを巻き込んでいくことの重要性が指摘されました。

セッション2では農業を扱いました。農業は気候変動に影響を及ぼすと同時に、気候変動によって農業が影響を及ぼされます。話題提供では、情報技術を駆使した「デジタル農業」の事例が紹介されました。技術はとても強力な道具ではあるものの、技術導入だけでは問題は根本的には解決されず、人間が賢く目的を設定して使用していくべきであると議論されました。

セッション3ではスマートシティやスマートホームを扱いました。移動手段や建物そのものが「賢く」なって私たちの生活がより便利になると同時に、経済効率性や個人の情報の扱いなどさらに複雑な問題との調整が必要になってきます。リスクを認識しつつも、場所や用途を限定したりするなど試験的に導入をすすめていくこと、様々な業界の人との協同が重要であることが指摘されました。

最後のセッション4では、AIを用いて気候変動の影響を計測し、緩和するための技術や研究が紹介されました。最先端の研究においては用いるデータの質や量などの課題、さらにはシステムやアルゴリズムの解釈可能性や精度の問題が指摘されました。AIも単独ではなくほかの技術とのネットワークで用いられており、学際的な共同研究の必要性が共有されました。

本会議を通じて得られた重要な視点を3つ、共有したいと思います。まず、AIはとても強力なツールではありますが、目的設定は私たち人間や社会が行います。AIは単独ではなく、ほかの技術や社会制度との相互作用の中でリスクとベネフィットを認識しながら用いていくことが求められています。

次に、地球環境問題や技術革新などを含め、私たちは現在移行期にいるという認識が共有されました。変わり続ける社会や環境の中に身を置くことは大変ではありますが、だからこそ逆に新しいことへの挑戦をすることが重要になります。本会議の昼食は、不揃いな色や形などが理由で市場に出せない有機野菜を生産者より購入して作られたものでした。食品ロスを防ぐというメッセージを会議で発するのは簡単ですが、具体的にそれを体験できる会議であることがとても素晴らしいと感じました。

最後に強調したいのが、コラボレーションの重要さです。様々な分野、業種、立場の人たちとの協同があってこそ、新たなチャレンジが可能となります。本会議は日独仏3か国がAI分野における研究や課題に対して協力する枠組みの中で開催されました。第1回の日独仏シンポジウムが2018年11月に開催され、本会議はその一環でもあります。今後もハイパフォーマンスコンピューティング(高性能計算)や、健康・医療などをテーマにイベントが11月と12月に開催される予定です。2020年11月18日と19日には日本科学未来館で第2回のシンポジウムが開催される予定です。今回の会議を含め、今後とも対話を続けていきたいと思います。

(※本文章は東京大学未来ビジョン研究センター特任講師 江間有沙による閉会のあいさつをもとに作成しました)