第3回「コロナと未来」研究Webinarシリーズ
-
日程:2020年07月29日(水)
-
時間:13:00-14:30
-
会場:ZOOMでのオンライン開催となります
ご登録完了後、2020年7月28日(火)午後に事務局より招待URLをお送りします。 -
言語:
日本語
-
定員:
50名
-
主催:
東京大学未来ビジョン研究センター SDGs協創研究ユニット
-
対象者:
どなたでもご参加いただけます(東大外、学生の参加も歓迎)。
但し、一般向けシンポジウムではなく、研究ウェビナーである点、ご了承ください。 -
申込締切:
2020年7月28日(火)12:00まで
定員に達し次第、受付を終了いたします。予めご了承ください。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界規模での感染拡大により、我々の生活は大きな変容を求められており、これまでとは違った新たな社会のあり方やライフスタイルの構築が喫緊の課題になっています。すなわち、「Pre-Corona」の状態に単に戻すのではなく、今後しばらくはウイルスと共存しながら社会経済活動をしていく、「Intra-Corona」の生活が続くことになります。
この度、未来ビジョン研究センターでは現在と、その先の「Post-Corona」時代を見据え、より進化した持続可能な未来社会の姿について考えるため、様々な分野の専門家をお呼びする研究ウェビナーを企画いたしました。皆様のご参加をお待ち申し上げております。
-
講演1加藤博和 名古屋大学大学院環境学研究科 教授
「公共交通はコロナをどう乗り越え、どう変わるべきか」
外出自粛・三密防止の中でも運休できず、営業補償は一切ない・・・コロナ禍は公共交通事業に甚大な損害を与え、いまだ需要は戻りきらない。おでかけが「当たり前」から「あえてする」に変わった新しい生活様式に公共交通がどう対応すべきか語る。 -
講演2村上道夫 福島県立医科大学医学部 准教授
「わざわいとリスク:福島原発事故から考える(仮)」
コロナ禍におけるリスクは、感染症に関するリスクのみならず、身体的、心理的、社会的リスクと多岐にわたる。本講演では、福島原発事故時がもたらした多様なリスクとその実態を議論し、コロナ禍でのリスクとの向き合いについて考える。
※発表題目などが当日変更になる可能性があります。 -
コーディネーター栗栖聖 東京大学大学院工学系研究科 准教授
–加藤博和(名古屋大学大学院環境学研究科 教授)
名古屋大学工学部土木工学科卒業、同工学研究科修了(博士(工学))後、同助手、環境学研究科助教授を経て現職。低炭素で災害に強くQOLが高い交通体系・まちづくりのための政策検討をテーマに研究活動を行う傍ら、「公共交通の臨床医」を自認し、現場での公共交通網見直しに全国約50か所で携わる。今年5月に成立した改正地域公共交通活性化再生法の検討に関与するなど、国の制度設計にも現場マインドをもって参画する。
–村上道夫(福島県立医科大学医学部 准教授)
2006年3月、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程修了。博士(工学)。
科学技術振興機構研究員、東京大学大学院工学系研究科リサーチフェロー、東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座特任助教、同特任講師、東京大学生産技術研究所特任講師を経て2015年1月より現職。専門はリスク学。著書に「基準値のからくり―安全はこうして数字になった―(講談社ブルーバックス)」など。
未来ビジョン研究センターでは、現在とその先の「Post-Corona」時代を見据え、より進化した持続可能な未来社会の姿について考えるため、様々な分野の専門家をお呼びして議論する、「コロナと未来」Webinarシリーズを開催しております。2020年7月29日(水)に、その第3回として、名古屋大学大学院環境学研究科教授の加藤博和氏と福島県立医科大学医学部准教授の村上道夫氏をお招きし、約60名の参加を得て開催いたしました。
はじめに、加藤氏より、「公共交通はコロナをどう乗り越え、どう変わるべきか」と題してお話をいただきました。まず、日本の公共交通は新型コロナウイルスの流行以前からすでに崩壊が進んでおり、外出自粛によってさらに危機的な状況に陥ったことが指摘されました。その上で、今後の地域公共交通のあり方として、「おでかけ」=「人をつなぐ」という仕事は超高齢社会の根幹であり、地域公共交通を「商売」ではなく社会インフラとしてとらえ、地域の持続性を高めるツールとして機能し、付加価値を発揮するためのソリューションを提示すること、そしてその実現を支援していくことが必要であると述べられました。
次に、村上氏より、「福島災害の教訓とCOVID-19禍における解決志向リスク学の役割」と題してお話をいただきました。福島の原発災害は生活や暮らしそのものに影響を与え、「被ばく」や生活環境の変化に起因する「心身の健康」だけではなく「社会的健康」も含めた課題であることが指摘されました。また、mass gathering eventにおけるリスク管理として、東京オリンピックにおけるスタジアム内外での新型コロナウイルス感染リスクを評価し、科学と技術に裏打ちされたオリンピックのデザインを社会に実装するための研究についてご紹介いただきました。
その後の質疑応答では、加藤氏、村上氏それぞれに対して参加者からご意見やご質問が出されたほか、講演者お二方の間で、公共交通における新型コロナウイルスの感染リスク対策について、公共交通機関としてどのような取り組みをすればよいか、科学的知見に基づいた対策が示されればよいのではないかといった議論が交わされました。
(文・写真:未来ビジョン研究センター 武藤淳)