• 政策提言

    No.15

    グローバル・コモンズ・センター

グローバル・コモンズの責任ある管理のための科学的かつ実践的なフレームワークに関する提言

政策提言の背景

私たち人類は今、人類史の重大な岐路に立っています。様々な科学的証拠が示すように、人類の厚生、繁栄、安全が依存する安定的で回復力のある地球システム(グローバル・コモンズ)がそのバランスを失いつつあります。私たちは、グローバル・コモンズを守るために地球環境を損ない続ける社会経済システムを変革する必要があり、そうしなければ、遠からず地球システムの異変が自己強化的かつ不可逆的になる転換点(ティッピングポイント)を超える危険性があります。こうした転換点を回避するには、世界のリーダーたちは、一部の分野で見られつつある進展を加速させ、その成功に向けた社会経済システム転換の望ましい「転換点」を発動するために、協調的な行動をとる必要があります。

この度、東京大学グローバル・コモンズ・センター(CGC)が、システミック社、ポツダム気候影響研究所(PIK)、持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)の支援を受け作成した「グローバル・コモンズ・スチュワードシップ・フレームワーク」は、政府、企業、金融、市民社会、国際機関のリーダーたちに刺激を与え、その指針とするためのものです。最新の科学的知見に基づくこの行動のためのフレームワークは、グローバル・コモンズの保全と責任ある管理のために、ステークホルダーを結集させ、変革を導き、巧みな協働に役立てることができます。

グローバル・コモンズ・スチュワードシップ・フレームワークは、(1)エネルギー、産業、輸送の脱炭素化、(2)持続可能な都市とコミュニティ、(3)持続可能な生産と消費、(4)持続可能な食料、森林、土地、水、海洋という4つのシステム転換を起こすことを目指して構成されています。各システム転換は、4つの共通のアクションレバーを通じて推進することができます。このレポートでは、主要なステークホルダーが、グローバル・コモンズを守るためのシステム転換を駆動する際に参考となる具体的なアクションを示し、行動の呼びかけを行なっています。

この政策提言は、東京大学未来ビジョン研究センター グローバル・コモンズ・センターの研究成果の一つです。全文は以下よりダウンロードいただけます。