• 論文

    杉山 昌広 未来ビジョン研究センター准教授

杉山昌広准教授らの論文がPNASに掲載されました

世界中で気候変動対策(CO2などの温室効果ガス排出削減策)が強化されていますが、パリ協定などで目指すことになっている、地球の気温上昇を1.5℃または2℃より十分低い水準に抑える目標から見ると、現在の対策では程遠いのが現状です。

こうした中、太陽放射改変(太陽ジオエンジニアリング、気候工学)という新たな対策に関心が集まりつつあります。ただ、太陽放射改変は論争が絶えず、自然科学的な評価以外にも社会科学やガバナンスの観点からも評価が必須です。効果と副作用・リスクを評価するには、シナリオが使われますが、今までのシナリオは自然科学的な側面に重きが置かれ、実際の政策的な含意を得ることが困難でした。

本論文では実際の実施可能性を踏まえつつ、新たなシナリオの枠組みを提案しました。本論文の提案は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などの今後の国際的な科学的評価の基礎になることが期待されます。

タイトル:


Scenarios for modeling solar radiation modification

共同研究者:


D.G.MacMartin, D.Visioni, B.Kravitz, J.H.Richter, T.Felgenhauer, W.R.Lee, D.R.Morrow, E.A.Parson, and M.Sugiyama

ジャーナル:


PNAS
119(33) (August 8, 2022)
https://doi.org/10.1073/pnas.2202230119

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東京大学未来ビジョン研究センター
准教授 杉山 昌広
https://ifi.u-tokyo.ac.jp/people/sugiyama-masahiro/