• 政策提言

    No.17

    技術ガバナンス研究ユニット

2023年G7に向けたグローバルヘルスに関する提⾔

政策提言の背景

2023年に日本はG7サミット及びG7 保健大臣会合のホスト国となる。これは日本が新たなグローバルヘルスのアジェンダを提示し、推進する大きな機会といえる。そのため、令和4年度厚生労働科学特別研究事業として「2023年G7保健関連会合における我が国の効果的なプレゼンスの確立および国際保健政策に資する研究」を実施し、3つの課題群について、検討を進めた。

第1の課題は、日本がこれまで継続的に推進してきたユニバ ーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関する課題である。コロナ禍を踏まえて、その重要性は世界的に認められるものの、実現においては、危機に強いレジリエントなヘルスシステムのあり方や平時と危機時の関係性など更に検討すべき項目が多くある。また、高齢化を踏まえたUHCのあり方も求められる。

第2の課題は、当面の重要な課題である新型コロナウイルス感染症対応のための研究開発・イノベーションやその成果のアクセスの確保の課題である。また、薬剤耐性(AMR)への対応に関しても、新たな研究開発の促進や、抗菌剤の安定供給・適正利用の確保が求められている。

第3の課題は、グローバルヘ ルス・ガバナンスの再構築に関する課題である。いわゆる「パンデミック条約」やIHRの改訂などの詳細や保健のファイナンシングについてはWHOその他の場において議論が展開してきた。しかし、ワンヘルスに関わる課題、温暖化等の地球環境問題に由来する健康 課題を考えると、より幅広い多層的なガバナンスの構築が必要とされているといえる。

以上の点に関する検討を踏まえて、以下では3つの課題群に即して提言を行う。

この政策提言は、東京大学未来ビジョン研究センター技術ガバナンス研究ユニットの研究成果の一つです。全文は以下よりダウンロードいただけます。