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No.18
データヘルス研究ユニット
データヘルス計画の標準化による保険制度横断のヘルスケアシステム構築
No.18
データヘルス研究ユニット
政策提言までの背景
東京大学未来ビジョン研究センターデータヘルス研究ユニットは、2018年のユニット設立以来、医療保険者が実施主体として進めるデータに基づく予防・健康づくり(データヘルス)の実証研究を進めてきました。データヘルスは国民皆保険制度に適用されたことで、すべての国民を対象とする仕組みとなっています。政府は今後データヘルス計画の標準化を進めることで、どこに住んでいてもどこで働いていても質の高い予防・健康づくりが受けられる長寿社会の構築を目指しています。一方で、日本の国民皆保険制度は歴史的な経緯から、複数の保険制度と3,400を超える保険者から構成されています。したがって、生涯を通じたシームレスな健康管理を実現するには、制度を横断したデータヘルス計画の標準化が不可欠です。
本政策提言は主として、厚生労働省高齢者医療運営円滑化等補助金「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルス推進事業」(2018-2022年度)、10都県との共同研究「都道府県向け予防・健康づくり標準化研究」(2020-2022年度)等を通じて得られた知見に基づきます。また、本稿はデータヘルス研究ユニットの運営委員での議論を踏まえて執筆しました。
政策提言
データヘルスの進展により、全国の地域および職域の健康格差が可視化され、新たな健康課題の解決策とその社会実装が求められています。また、国民の健康寿命の延伸には健康・医療だけでなく、社会・経済・教育・環境など多分野からの重層的なアプローチが不可欠であることから、市町村や職場における健康課題とその解決策を共有するデータヘルス計画は社会資源が協創するためのプラットフォームとなり得ます。
このような背景のもと、従来の保険者内に閉じた、独自性の強いデータヘルス計画を標準化し、社会に開いていくことにより、客観的な評価に基づく知見抽出や、保険制度を横断したシームレスな健康管理を実現することが求められます。そのための国、自治体および審査支払機関等に対する4つの提言をまとめました。
提言1;計画様式の標準化
提言2;評価指標、データの標準化
提言3;保険制度間・保険者間のデータの引継ぎ
提言4;データガバナンス
この政策提言は、東京大学未来ビジョン研究センターデータヘルス研究ユニットの研究成果の一つです。全文は以下よりダウンロードいただけます。