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古月文志 特任教授、坂田一郎 教授
カーボンナノチューブに関する共同研究論文がCarbon誌に掲載されました
古月文志 特任教授、坂田一郎 教授
古月文志特任教授、坂田一郎教授らの共同研究論文「Thicker carbon-nanotube/manganese-oxide hybridized nanostructures as electrodes for the creation of fiber-shaped high-energy-density supercapacitors」がCarbon誌に掲載されるとともに、同論文のコンセプトを示す原理模式図が同誌155巻の表紙を飾りました。
概要
超高齢化社会が到来し、また、予防の重要性への認識が高まる中で、ウエラブルな電子デバイス(例えば、スマート生体センサー)への社会的なニーズが高まっています。現在、その普及に関して大きなボトルネックとなっているのは、それらデバイスへのエネルギー供給に適した小型で安全性が高く、かつ、フレキシブルという条件を満たした電源の開発が遅れていることです。
本研究論文では、孤立に分散されているカーボンナノチューブを密に連結し、電気伝導性と柔軟性が共に優れた高密度のカーボンナノチューブネットワークを形成した後、酸化マンガンのナノ粒子をこの高密度のカーボンナノチューブネットワークの中に電気化学的に密に充填することにより、ウエラブルな電子デバイス向けのエネルギー源として使える電気エネルギー密度の高いファイバー状のスーパーキャパシタを作成する新しい技術が紹介されています。研究論文がCarbon誌に掲載されるとともに、同論文の技術的コンセプト(毛細管/細胞構造、即ち、高密度のカーボンナノチューブネットワークの役割=電子を輸送する役割を毛細管の役割に喩え、酸化マンガンナノ粒子の役割=エネルギーを貯蔵する役割を細胞の役割に喩えたコンセプト)を示す原理模式図(サイエンスイラストレーターの木下真一郎氏作)が同誌155巻の表紙を飾りました。
タイトル:
Thicker carbon-nanotube/manganese-oxide hybridized nanostructures as electrodes for the creation of fiber-shaped high-energy-density supercapacitors
共同研究者:
Wei Gong, Bunshi Fugetsu, Zhipeng Wang, Takayuki Ueki, Ichiro Sakata, Hironori Ogata, Fei Han, Mingda Li, Lei Su, Xueji Zhang, Mauricio Terrones, Morinobu Endo
ジャーナル:
Carbon, Volume 154, December 2019, Pages 169-177
https://doi.org/10.1016/j.carbon.2019.08.004