ライフスタイルデザイン研究ユニット 新しい時代の健康概念と指標、新しいライフスタイルの提案プロジェクト

研究概要

 人類の平均寿命の延長や業種や働き方の多様化と共に、年金や医療等の公的な枠組みから日々の社会生活に至るまでの様々な領域において、これまでと異なるニーズや要件を顕在化させている。とりわけ、「健康」に帰属する要素は、充実した幸せなライフスタイルを生きる上で前提となる、重要かつ不可欠な要件である。近年、健康を考える上で、客観的で医学的なものだけでなく、主観的な側面、特に個人の生活、経験、価値観などが重視されている。この研究は、健康や幸福感を含む新しい時代のライフスタイルを議論し、その定義や評価を通じて探求するための体系(フレームワーク)の提案を目的とする。

図: ポジティヴヘルスの健康の6次元

(1)新たな健康の概念の「ポジティヴヘルス」の検討

オランダでは、「生きがい」を持って、前向きに心身ともに健康に生きていく生き方を「ポジティヴヘルス(Positive Health)」*と表現して、官民あげて、これをチャレンジして行こうという動きがある。海外における健康概念の事例としてオランダの「ポジティヴヘルス」を事例としそのコンセプトを理解し、地域間の文化・風土的相違等を踏まえて批判的に検証し、我が国における新しい健康概念とその評価の在り方を検討する。
*「社会的・身体的・感情的問題に直面したとき適応し、みずから本人主導で管理する能力としての健康」

(2) 日本人の主観的幸福感・健康感の現状調査

本調査は、過去内閣府で行われた「満足度・生活の質に関する調査」、「国民生活選好度調査」、過去厚生労働省で行われた「健康意識に関する調査」およびオランダの新しい健康概念「ポジティヴヘルス」の健康指標を参考に、我が国における健康概念の構築に向けて、主観的健康指標を個人の幸せにつなげるための基礎資料として得る事を目的に調査研究が進行中。

研究計画書
【東京大学倫理審査専門委員会 審査番号】20-61