• 論文

    菊池康紀 未来ビジョン研究センター准教授

菊池康紀 准教授のグループの共同研究論文が米国化学会”ACS Sustainable Chemistry & Engineering”誌に掲載されました

木質系バイオマスから生産できるセルロースナノファイバーをアセチル化し、ポリ乳酸を強化して得られる繊維強化樹脂(以下、AcCNF/PLA:acetylated cellulose nanofiber-reinforced polylactic acid)について、ライフサイクルアセスメント(LCA:life cycle assessment)を用いて温室効果ガス排出量(LC-GHG: life cycle greenhouse gas emissions)と累積エネルギー需要量(CED: cumulative energy demand)を定量化しました。実証実験により得られた知見を基に、大規模化した際の化学プラントをプロセスシミュレータ上に実装させ、プロセスインベントリデータを得ることにより、将来のAcCNF/PLAにおけるLC-GHGとCEDを算定可能としました。実験における条件と比較し大幅な環境負荷の低減ができることが明らかとなり、混錬における規模の違いについてもプロセス入出力を実測し、LC-GHGとCEDがとりうる幅を明らかにしました。

本研究により将来の普及段階におけるAcCNF/PLAの環境性能をもとにした素材開発・選択を検討可能となりました。

タイトル:


Life Cycle Greenhouse Gas Emissions of Acetylated Cellulose Nanofiber-reinforced Polylactic Acid Based on Scale-up from Lab-scale Experiments

共同研究者:


Yuichiro Kanematsu, Yasunori Kikuchi, Hiroyuki Yano

ジャーナル:


ACS Sustainable Chemistry & Engineering
https://doi.org/10.1021/acssuschemeng.0c09250

お問い合わせ


東京大学未来ビジョン研究センター
准教授 菊池康紀
https://ifi.u-tokyo.ac.jp/people/kikuchi-yasunori/