人生100年時代の到来を見据え、高齢者から若者まで、誰もがいくつになっても活躍できる社会、安心して暮らすことのできる社会を構築します。具体的には機能性、多様性、多世代の視点から新たな地域共生・共創社会を目指し、医工連携も含めた文理融合型の総合老年学(ジェロントロジー:Gerontology)研究として、高齢者の社会課題に対する提案・対策を見出し、地域での実装を通じて課題解決型実証研究(アクションリサーチ)を実践していきます。具体的な例として、本ユニットでは、新概念「フレイル(虚弱という意味)」を世に出し、その重要性を訴えながら、大規模高齢者縦断追跡コホート研究のエビデンスから食・運動・社会参加の3つの軸を合わせた包括的なフレイル予防の重要性を提案しています。さらに、地域実装として「地域高齢住民主体のフレイル予防を通した健康長寿まちづくり」モデル活動を全国の数多くの自治体に導入させ展開しています。
健康長寿の実現に加え、誰もが学び、生きがいを持て、活躍できるまちづくり、特に高齢者のセカンドライフにおける就労推進とその基盤を構築していきます。最終的には、全世代における地域共生社会(Age-friendly city and communitiesも含む)のためのまちづくり再構築(いわゆるコミュニティのリデザイン)を進めて、政策提言(EBPM: Evidence-based Policy Making)を実現することを目指します。
本研究ユニットは、高齢者の自立度の向上や健康寿命の延伸を実現するために、早期のフレイル予防からケアまでを段階別また必要に応じた自助、互助、共助、公助をデザインし、政策提言につなげ、人生100年を住み続けられるまちづくりを研究します。
1.健康長寿実現のためのフレイル(虚弱)予防研究
- 大規模高齢者縦断追跡コホート研究
- 高齢住民主体の健康長寿まちづくりシステム構築
- AI技術によるエビデンスベースのフレイルへの超早期予知
- 早期フレイル予防介入(転倒骨折予防介入も含む)による医療経済将来シミュレーション
- 新型コロナウイルス感染症COVID-19による高齢者の健康二次被害(生活不活発、食生活の崩れと栄養の偏り、地域社会や人とのつながりの低下、これらを背景とするフレイル化やフレイル状態の悪化)に対する研究、オンライン技術も駆使した新たな地域像の創造
2.生涯現役
- 誰もが学び、生きがいを持て、活躍できるまちづくりなど
- 高齢者のセカンドライフにおける就労推進とその基盤構築
3.安心ある生活支援
- 生活支援を軸とする地域ネットワークおよび次世代型地域包括ケアシステム構築
- 全高齢者QoL向上のための総合的支援デザイン