東京大学未来ビジョン研究センター フューチャーアース研究ユニット主催オンラインセミナー「脱炭素化時代の気候科学の論点とその政策的・社会的含意」
-
日程:2021年05月25日(火)
-
時間:18:00-20:00
-
会場:Zoomによるオンライン開催
-
主催:
東京大学未来ビジョン研究センター フューチャーアース研究ユニット
-
言語:
日本語
-
申込:
不要(参加無料)
-
Zoom ULR:
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/83759811270?pwd=WE5XZFlrbVMra25lY3pjSmJ2aTZRQT09
ミーティングID:837 5981 2170
パスコード:557943
昨年10月に菅首相が2050年までに日本も脱炭素社会を目指すことを宣言し、4月には2030年の温室効果ガス排出削減目標を従来の26%から46%(2013年比)に引き上げました。多くの企業や自治体も2050年までの脱炭素化を宣言するなど、気候変動対策に積極的な姿勢を示しています。いよいよ日本も脱炭素化時代に本格的に突入したといえます。また、国際的には気候変動サミットにおいて、各国の温室効果ガス削減目標の確認やそれを支える経済メカニズムに関しても活発な論議がありました。
しかし、脱炭素化の背景にある気候変動の科学は複雑な論点をはらみ、脱炭素化に取り組むプレーヤーがそれらを独力で十分に理解することは一般に困難と思われます。今回は、気候変動に関わる科学に精通した3人のスピーカーから、各人の専門性と研究成果に基づく気候変動に関する科学の論点をご提示頂き、その政策的・社会的含意を議論したいと思います。
本セミナーは東京大学未来ビジョン研究センター・フューチャー・アース研究ユニットが主催して行われる一般公開セミナーです。
-
18:00開会挨拶
城山 英明(東京大学未来ビジョン研究センター長)
-
18:10講演1「地球システムモデルを用いた排出削減経路の検討」
河宮 未知生(国立研究開発法人海洋研究開発機構 環境変動予測研究センター・センター長)
-
18:40講演2「地球規模のリスク管理としての気候変動問題」
江守 正多(国立研究開発法人国立環境研究所地球システム領域・副領域長)
-
19:10講演3「脱炭素シナリオと日本の課題」
杉山 昌広(東京大学未来ビジョン研究センター・准教授)
-
19:40コメント
高村 ゆかり(東京大学未来ビジョン研究センター・教授)
-
19:50閉会
講演は質疑の時間を含め30分となっています。
各講師より講演の参考になる論文リストをいただきましたので、下記ご案内いたします。
-
河宮先生
-Kawamiya M, Hajima T, Tachiiri K, Watanabe S, Yokohata T (2020) Two decades of Earth system modeling with an emphasis on Model for Interdisciplinary Research on Climate (MIROC), Prog. Earth Planet. Sci., 7:64.
https://doi.org/10.1186/s40645-020-00369-5-Tachiiri K, Silva Herran D, Su X, Kawamiya M (2019) Effect on the Earth system of realizing a 1.5°C warming climate target after overshooting to the 2°C level, Environmental Research Letters, 14, 24063.
https://doi.org/10.1088/1748-9326/ab5199 -
杉山先生
-Shiraki H and Sugiyama M (2020) Back to the basic: toward improvement of technoeconomic representation in integrated assessment models, Climatic Change, 162: 13-24.
https://doi.org/10.1007/s10584-020-02731-4-Sugiyama M, Fujimori S, Wada K, Oshiro K, Kato E, Komiyama R, Herran D S, Matsuo Y, Shiraki H, Ju Y Y (2021) EMF 35 JMIP study for Japan’s long‑term climate and energy policy: scenario designs and key findings, Sustainability Science.
https://doi.org/10.1007/s11625-021-00913-2 -
江守先生
-Emori S, Takahashi K, Yamagata Y, Kanae S, Mori S, Fujigaki Y (2018) Risk implications of long-term global climate goals: overall conclusions of the ICA-RUS project, Sustainability Science, 13, 279-289.
https://link.springer.com/article/10.1007/s11625-018-0530-0-江守正多 (2020) 気候危機の現状と文明の「卒炭素」、哲学、2020巻71号 p.10-20.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy/2020/71/2020_10/_article/-char/ja/
https://doi.org/10.11439/philosophy.2020.10
*本セミナーは科学研究費補助金「気候変動下での暑熱障害と感染症による健康リスクの予測と統合的評価(19H01144)」により一部補助されています。