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    井出博生 未来ビジョン研究センター特任准教授

井出博生特任准教授らの論文がJournal of Aging & Social Policyに掲載されました

初期におけるCOVID-19関連の日本国内の死亡者数は、欧米諸国と比較すると非常に少なく、また高齢者施設での感染が比較的低いことも知られてきました。本論文ではその理由について検討しました。日本では感染が拡大しはじめた2020年春の段階で、ヨーロッパ諸国や米国よりも数週間早い2月中旬に高齢者施設の封鎖を求める通知が厚生労働省から出されています。感染拡大のスピードを鑑みると、数週間の違いは大きく、このことが高齢者施設での死亡者数の少なさに貢献しました。このような措置が効果的であった背景には、日本では高齢者の介護に関する政策・制度が階層的に組織化されていること、政府と高齢者施設の間に効果的なコミュニケーション・チャンネルが存在すること、高齢者施設における感染予防のプロトコルが確立されていることが挙げられます。

タイトル:


COVID-19 and Long-Term Care Policy for Older People in Japan.

共同研究者:


Estevez-Abe M, Ide H.

ジャーナル:


Journal of Aging & Social Policy.
DOI 10.1080/08959420.2021.1924342

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東京大学未来ビジョン研究センター
特任准教授 井出博生
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