• 論文

    藤井祥万 未来ビジョン研究センター特任助教
    菊池康紀 未来ビジョン研究センター准教授

藤井祥万特任助教らの論文がJournal of Cleaner Production 365に掲載されました

脱炭素社会の実現に向けて,電力だけではなく「熱」の脱炭素も重要です。本研究では,熱の脱炭素の方策の1つである、産業排熱と低温蒸気の需要間の時空間ギャップを解消可能なゼオライトの水蒸気吸脱着サイクルを用いた蓄熱輸送システムに着目し,実証試験により妥当性を確認した数値解析に基づく先制的ライフサイクルアセスメント(LCA)および設計へのフィードバックを実施しました。これまでに開発した出熱装置「ゼオライトボイラ」,蓄熱装置「ヒートチャージャー」の数値解析モデルを用いたフルスケールのシミュレーションによりインベントリデータを取得し,気候変動および資源消費の影響領域を評価しました.その結果,ライフサイクルでの温室効果ガスを最小化するシステムのスケールが存在し,資源消費はバッテリーよりも低いインパクトに抑えられることがわかりました。

新興技術の実験室での研究とLCAをつなぐ方策を提示した本研究により,ライフサイクル視点での蓄熱輸送技術の改善の提案などが可能となりました。

タイトル:


Prospective life cycle assessment for designing mobile thermal energy storage system utilizing zeolite.

共同研究者:


Shoma Fujii, Takao Nakagaki, Yuichiro Kanematsu, Yasunori Kikuchi

ジャーナル:


Journal of Cleaner Production 365(2022)
https://doi.org/10.1016/j.jclepro.2022.132592

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東京大学未来ビジョン研究センター
特任助教 藤井祥万
https://ifi.u-tokyo.ac.jp/people/fujii-shoma/