共同研究に関する論文掲載

~植物資源由来の炭化水素のライフサイクル温室効果ガス排出量の分析~

東京大学未来ビジョン研究センター(以下「東京大学」)とNeste Ojy(以下「Neste」)、豊田通商株式会社(以下「豊田通商」)は、植物油と生物系廃棄物を原料とした(併せて以下「バイオマス由来」)炭化水素のライフサイクル温室効果ガス(GHG)排出量評価に関する共同研究を実施し、その論文がProcess Safety and Environmental Protectionに掲載されました。

本研究では、Nesteが様々な種類のバイオマス由来原料を使用して製造する炭化水素(通称:バイオマスナフサなど)について、原料の栽培・収集から、炭化水素油の製造、クラッキング、プラスチック等の化成品製造、最終処分を含めた、ライフサイクル全体のGHG排出量を評価しました。その結果、石油を用いて製造する炭化水素(ナフサ等)と比較し、約28%~38%*¹*²のGHG削減効果がある事が分かりました。一方で、使用する原料の条件によってGHG排出量が大きく異なることから、原料の条件を適切に理解し選択できることが、持続可能な化成品製造に必要となることが、具体的な事例の中で検証されました。

タイトル:


Life cycle greenhouse gas emissions of biomass- and waste-derived hydrocarbons considering uncertainties in available feedstocks

共同研究者:


Yasunori Kikuchi, NorikoTorizaki, Leena Tähkämöe, Annamari Enströme, Sari Kuusistoe

ジャーナル:


Process Safety and Environmental Protection, 166, 693-703 (2022)
https://doi.org/10.1016/j.psep.2022.08.054

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東京大学未来ビジョン研究センター
准教授 菊池康紀
https://ifi.u-tokyo.ac.jp/people/kikuchi-yasunori/