-
ビヨンド・”ゼロカーボン”を目指す”Co-JUNKAN”プラットフォーム研究ユニット
フィリピン国砂糖統制庁と国際交流協定を締結サトウキビ関連ライフサイクル研究と国際展開を推進
ビヨンド・”ゼロカーボン”を目指す”Co-JUNKAN”プラットフォーム研究ユニット
概要
2025年3月21日(金)、東京大学本郷キャンパスにおいて、東京大学未来ビジョン研究センター(IFI)と先端科学技術研究センター(RCAST)、フィリピン共和国農業省砂糖統制庁(SRA)との間で国際交流協定(Memorandum of Understanding: MOU)が締結されました。本MOUは、東京大学、SRA双方の関心分野における地域連携を推進し、研究者間の協力を支援することを目的としています。具体的には、サトウキビ由来の生産、技術評価、システム設計、および先進技術を用いたサトウキビ関連ライフサイクルの社会的実証に関する実践的な学術研究における協力・連携を推進しようとするものです。
SRAはフィリピン国において、砂糖産業を所掌する政府機関で、砂糖生産に関する研究開発部門を有しています。他方、東京大学は、未来ビジョン研究センター、先端科学技術研究センターをはじめとして多くのLCA専門家を有しており、サトウキビ関連のLCA、システム設計等の知見が豊富です。サトウキビ関連のライフサイクル研究を進めるため、熱帯島嶼地域向けの気候変動に強いサトウキビの技術開発に関する共同研究をSRAと開始している国際農林水産業研究センター(JIRCAS)の助言を受け、IFIの菊池康紀教授とRCASTの小原聡特任教授は、SRAと協力分野について議論を重ねてきました。
本MOUに基づき、両国間で科学的な知見と技術的なノウハウを共有し、連携を進めることで、フィリピン国の関連産業への波及効果とさらにはアジア地域全体での食料生産性の向上や食料安全保障の強化につなげることを目指します。東京大学においては、このMOUに基づく連携により、実践的なデータを得ることができ、それをもとにしたライフサイクル研究のさらなる進展が期待されます。
MOUの締結を記念して、フィリピン大使館のChristian L. De Jesus首席公使と、JIRCASの小山修理事長を来賓に迎え、MOU調印式が同日執り行われ、約30名が参加しました。はじめに、東京大学RCAST小原特任教授より、MOU締結に至るまでの背景と現在進行中の研究プロジェクト、さらに今後どのような展開を目指しているか説明がありました。その後、署名者を代表して、Pablo LuisS. Azconaフィリピン共和国SRA長官、福士謙介東京大学IFIセンター長、杉山正和東京大学RCAST所長がスピーチを行い、サトウキビが単に砂糖としてだけでなく、バイオ燃料やグリーンケミカルとしての利用も可能で、これからの社会にとって重要なバイオマス資源であることが強調されました。そして、農学と工学、経済学等を融合した学際的なアプローチにより高付加価値製品に転換することで、就農人口の減少や産業の活性化などの地域課題と、脱炭素化などのグローバル課題の同時解決につながるとして、学術研究から技術の社会実装への接続と国際展開に向けてMOUに基づく連携に強い期待を寄せられました。
津田敦東京大学理事・副学長からは、MOU締結に至るまで尽力した全ての関係者に対する深い感謝と、本MOUが、様々なグローバル課題に取り組むための基礎となることを願うとする挨拶がありました。
閉会の辞は東京大学IFIの菊池教授が務め、長官一行の来日の機会に翌日から2日間にわたり実施する種子島視察で、東京大学がこれまで取り組んできた研究フィールドを紹介できること、そして現地パートナーと活発な議論を行うことを楽しみにしていると述べ、式典を締めくくりました。
問合せ先:
CO-JUNKAN拠点
web-coi-riec-group[at]g.ecc.u-tokyo.ac.jp
([at]を@に変更して送信してください。)