国際エネルギー分析と政策研究ユニット 日本における長期地球温暖化対策経路の複数モデルを用いた評価と不確実性の分析

2030年-2050年という長期の視野に立って、日本の気候政策を複数の統合評価モデルによって評価し、様々な不確実性(モデル間の違い、再生可能エネルギーの大幅導入の可能性、エネルギー技術イノベーションの展望、原子力のあり方)を踏まえた知見を得る。これにより、頑健な気候政策の方向性を示す。

(1)スタンフォード大学 Energy Modeling Forum との連携を踏まえ、包括的なシナリオの条件を設計し、複数の統合評価モデルによりシナリオを計算することで、気候政策のロバストな傾向と不確実性を同定する。具体的には研究分担者および研究協力者の貢献により、AIM、DNE21、TIMES-Japan、IEEJ他の参加をもとにモデル比較を行う。シナリオ設計においては、以下の実施項目(2)-(4)からの情報提供を受け、モデル自体を改善しつつ様々な領域の知見をシナリオに反映させる。

(2)太陽光や風力といった変動性の再生可能エネルギー電力を精緻に表現できる日本の電力システム・モデルを用いることで大量導入について詳細に分析する。この結果を統合評価モデルにおいて近似的にモデル化する手法を開発する。

(3)国内外の先端エネルギー技術のロードマップ、専門家による聞き取り(expert elicitation)等の研究をレビューし、二次電池、CCS 付きバイオマス・エネルギー(負の排出技術の一例)などの技術パラメーターとその不確実性を取りまとめ、確率分布関数といった形にまとめる。これらを統合評価モデルで組み込めるパラメーターとしてまとめる。

(4)国民やステークホルダーの間に様々な意見があることを踏まえ、脱原子力を打ち出しているドイツや新設原子力が 2016 年 10 月に稼働した米国も含めた各国の/グローバルなシナリオ研究をレビューする。日本の事情を踏まえ、原子力シナリオを新設や再稼働、バックエンド、エネルギー安全保障への含意も整理しながら幅広い定性・定量的なシナリオを作成する。

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