「気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ」の日本語版公開
フューチャー・アースは、アース・リーグと世界気候研究計画(World Climate Research Programme;WCRP)と毎年、気候変動に関する最新の情報と最も重要な新たな分野について研究者と協働し、調査しています。その内容を10項目の重要な科学的メッセージにまとめており(英語タイトル:10 New Insights in Climate Science)、政策と社会全体にとって有益な科学的な情報を提供しています。この度、日本語版が完成しましたのでお知らせします。翻訳には、地球環境戦略研究機構(IGES)、国立環境研究所、及び一般財団法人リモート・センシング技術センターにご協力頂きました。
今年の報告書は、永久凍土の溶解や陸域炭素吸収源の弱体化の可能性により予想よりも二酸化炭素排出量が高いことなど、環境への影響が増大し続けていることを裏付けるとともに、気候変動に関する経済とガバナンスにおける新たな洞察から得られるチャンスと、気候変動に関する訴訟の可能性を指摘しています。まだチャンスはありますが、世界がパリ協定の目標を達成するならば、2021年は行動するべき重要な年になるでしょう。
「気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ」2020年版の10の重要なメッセージ
- パリ協定達成のためには、野心的な排出削減が必要なことが、モデルの改良によって強調された
- 融解する永久凍土からの排出量が、これまでの予想よりも多くなるおそれがある
- 森林伐採が熱帯の炭素吸収源を劣化させている
- 気候変動は水の危機を著しく悪化させる
- 気候変動はメンタルヘルスに著しく影響を与える
- 政府はCOVID-19からのグリーンリカバリーの機会を活かせていない
- COVD-19と気候変動は、新しい社会契約が必要なことを証明した
- 成長に焦点を当てた景気刺激策は、パリ協定を危機に陥れる
- 公正で持続可能な社会への転換には、都市の電化が極めて重要である
- 気候訴訟は人権擁護のための重要な気候行動である