日本学術会議「地球温暖化への取組に関する緊急メッセージ」公表
出典:日本学術会議ホームページより
2019年9月19日に日本学術会議会長談話「「地球温暖化」への取組に関する緊急メッセージ」が公表され、近藤智洋環境省地球環境局長に手交された後、環境省記者クラブで会見が行われました。
緊急メッセージは、日本学術会議のフューチャー・アースに関連する5つの委員会・分科会が協力して作成し、フューチャー・アース国際事務局とアジア地域センターも声明作成に協力しました。執筆にあたっては、フューチャー・アースの連携と推進委員会(安成哲三委員長、フューチャー・アースの諮問委員兼務)が中心となりました。
緊急メッセージは、まず序文で、現状の道を進めば、2040 年前後には地球温暖化が産業革命以前に比べて「1.5℃」を超え、自然環境や社会へ深刻な影響を及ぼすとしています。一方で、大きく舵を切り、経済と社会システムを変えることで、豊かな社会を築く選択肢がまだ残っているとしています。序文の最後には、国民の皆さんが自身の行動を通して変化を加速することを呼びかけています。
序文のあとに5つの緊急メッセージが掲載されており、各メッセージはその後の解説文で科学的根拠や詳細な解説がなされています。5つのメッセージは下記の通りです。
- 人類生存の危機をもたらしうる「地球温暖化」は確実に進行しています
- 「地球温暖化」抑制のための国際・国内の連携強化を迅速に進めねばなりません
- 「地球温暖化」抑制には人類の生存基盤としての大気保全と水・エネルギー・食料の統合的管理が必須です
- 陸域・海洋の生態系は人類を含む生命圏維持の前提であり、生態系の保全は「地球温暖化」抑制にも重要な役割を果たしています
- 将来世代のための新しい経済・社会システムへの変革が、早急に必要です
この緊急メッセージは、世界中の組織・自治体で発信されている「気候非常事態宣言」に呼応するもので、世界中の市民(特に日本国民)宛てに作成されています。来週ニューヨークで開催される国連気候行動サミット2019に合わせて発信されています。