健康保険組合における健康状態および医療費の分析と疾患リスクの将来予測

【東京大学倫理審査専門委員会 審査番号】

19-136

【研究の概要】


西欧における先行研究では、糖尿病に起因した医療費は、非糖尿病患者のものと比較して、1.5 – 4.0 倍にもなるとの報告がある1-2。主な理由としては、糖尿病に起因した合併症(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害など)による医療費が非常に高くなることが挙げられ3、社会保障給付費が増加傾向にある4我が国にとっては喫緊の課題である。
本研究では、研究対象である健康保険組合集団における被保険者の健康状態を分析することで、糖尿病やその他疾患の状態を把握し、得られた分析結果をもとに糖尿病の将来疾患リスクを予測するモデルを作成することを行う。糖尿病の疾患リスクとしては、BMIや体重増加量に代表される肥満が米国の先行研究にて指摘されている5。当該研究では、BMI 35 kg/m2 以上で約42倍の疾患リスク(BMI 23 kg/m2 未満を基準)が、体重増加 15kg 以上で約9倍の疾患リスクがある(体重増加 -2 ~ +2 kgを基準)と報告されている。また、日本人は欧米人と比較して、インスリン分泌能力が低く、軽度の肥満でも糖尿病を発症しやすいのではないかとの指摘もある6。
これらの研究結果を踏まえた上で、本研究では、対象とする被保険者集団における医療費の要因分析および糖尿病の将来疾患リスクを分析し、新たな発見・精緻な予測モデルの構築を通し、早期介入のための判断基準となることを目的とする。また、構築した予測モデルの医療費削減効果を検証する手法を開発することで、施策の効果検証の枠組みの一助となることも目的とする。

【研究計画書】


研究計画書

【研究機関名・責任者】


東京大学未来ビジョン研究センター 特任教授 古井祐司

【問い合わせ、苦情などの連絡先】


連絡責任者:特任准教授 井出博生
住所:東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-5841-0934 e-mail:dh-jimu@ifi.u-tokyo.ac.jp