安全保障研究ユニット 日欧における防衛・安全保障協力

概要

日本にとって、米国が唯一の同盟国であり、日米同盟が地域安全保障の礎石であることに変化はありませんが、一方で、過去10年の間に欧州諸国との防衛・安全保障協力は飛躍的に進展しました。本プロジェクトは、こうした日欧の防衛・安全保障協力を評価するものです。日本は1945年以来最も厳しい戦略環境に直面しており、欧州諸国との防衛・安全保障関係の深化はより一層の重要性を帯びています。これには、日英伊共同の次世代グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)など、先端防衛装備における共同産業協力も含まれます。オランダ海軍は2年ごとにフリゲート艦をインド太平洋に展開を計画する一方、英国海軍の沖合哨戒艦艇2隻は2021年以降、定期的に日本の海上拠点を巡回しています。イギリス・イタリア・フランスの空母打撃群は日本の海上自衛隊と共同訓練を実施し、欧州のユーロファイター・タイフーンやF-35戦闘機は現在日本の空域で訓練を行っています。一方、2025年は自衛隊が欧州に初展開した記念すべき年となりました。「アトランティック・イーグルス」作戦では、給油機と輸送機による支援を受けたF-15戦闘機が初めてイギリスとドイツに長距離展開しました。日本の空挺部隊も欧州大陸で初の野外訓練演習に参加し、イタリア主導の多国間空挺演習「マングスタ2025」に加わりました。
本プロジェクトの目的は、こうした地域横断的な防衛協力の多面的な構成要素を研究することです。日本と欧州の防衛パートナーの戦略、動機、能力を分析し、これらの発展途上のパートナーシップがどの程度日米同盟を補完するのか、またどの程度、地域における抑止と安心供与に貢献できるのかを検証します。

本プロジェクトは、在日オランダ王国大使館よる受託研究資金と日本学術振興会科学研究費補助金(B)(研究課題番号:23K20585)の助成を受けています。

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