向山直佑准教授の論文がComparative Politicsに掲載されました
向山直佑准教授の論文 “Colonial Oil and State-Making: The Separate Independence of Qatar and Bahrain” が『Comparative Politics』に掲載されました。
(概要)資源政治に関する近年の研究では、いわゆる「資源の呪い」は、イギリスが石油権益を背景に小国の生存を保障した湾岸諸国に特有の現象であることが示唆されてきました。
本稿では、全体としてこの地域が宗主国の保護を受けた要因だけではなく、この地域が後に脱植民地化を通じて特定の国々に分かれ、その中で「本来存在しないはずの国家」が誕生した背景にも、石油が関与していたと主張しています。
アブダビの主導によって湾岸の9つの首長国が連邦の設立交渉を行った際、(1)植民地時代の石油生産、ならびに(2)保護領制度という2つの要素を原因として、カタールとバーレーンが連邦への参加を拒否し、個別に独立したことを、史料調査に基づいて明らかにしました。