昨今の人工知能(AI)の活用により、社会はますます便利になっています。それに伴ってAI開発、利活用や運用に関する人材の育成が推進されているほか、国内外の多くの企業がAIに対して巨額の投資をしています。
一方で、AIは公平性、説明可能性や透明性の欠如など様々な問題も引き起こしています。責任の所在があいまいであることも多く、無意識のバイアス等の「落とし穴」が放置されたままであるケースも散見されます。特に複雑で長いサプライチェーンは、組織間あるいは社内でのコミュニケーションを難しくするため、AIがもたらす問題への対応が見て見ぬふりをされてしまうこともあります。しかしAIがもたらす課題に意識的、あるいは無意識的に気が付かずに開発や運用を続けることは、AIを活用する社会全体のリスクにつながります。
本研究会ではAIの開発、利活用や運用にあたって見過ごしてされたり、考慮を先延ばしにされたりしがちな「AIの死角や盲点」にDEI(Diversity, Equity & Inclusion:多様性、公平性と包摂)という観点から注目します。日本の社会がより健やかにAIを活用していくための多様な視点に気づき、具体的な解決策を政策提言などで社会に発信していきます。
しかしDEIの死角や盲点は自分では気づくことができません。そのため本研究会は参加者との対話を重視します。研究会は二部構成とし、第一部はオンラインで話題提供者が様々な死角や盲点を提案し、視聴者と議論した内容を報告書として蓄積していきます。第二部は基本的に対面のセミクローズドな議論を、チャタムハウスルール(注1)を適用して実施します。研究会はネットワーキングも目的としているため定期的に開催します。「AIをめぐる死角や盲点」とその対策にご関心のある方のご参加をお待ちしております。
(注)チャタムハウスルールは、情報の公開と共有の自由を促す研究会参加者の行動規範です。参加者は共有された情報を引用及び公開することはできますが、情報の発信元や参加者情報については伏せなくてはなりません。
本研究会は東京大学未来ビジョン研究センターAIガバナンスプロジェクトとPwCコンサルティング合同会社の共同研究の一環として実施するものです。
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