研究の趣旨・概要
- 環境研究総合推進費
- 課題番号:2-2104
- 研究課題名:脱炭素トランジション:イノベーションとライフスタイル変容の複数モデル評価
- 研究代表者:杉山昌広
- 研究実施期間:令和3年度(2021年度) ~ 令和5年度(2023年度)
本研究では日本の脱炭素トランジションに資するイノベーションとライフスタイル変容の役割について、複数モデルを用いた緩和シナリオ研究とトランジション研究の接合を行い、気候変動の観点から地域循環共生圏の実現に向けた環境行政への含意を見出します。具体的には以下を実施します。
- 技術変化と社会変容に関するシナリオ分析、およびトランジション研究との接合:複数のモデル(AIM/Hub, AIM/Enduse, DNE21, IEEJ-NE-Japan, TIMES等)のシナリオ分析を行い、頑健な政策パッケージを同定します。トランジション研究との接合を試み、システム・イノベーションとしての政策を導き出します。
- 脱炭素トランジションの理論的フレームワークと日本への応用:日本ではトランジション研究の事例は一部に見られますが、包括的な整理および気候変動分野への適用は行われていません。トランジション研究のレビューを踏まえて理論フレームを構築し、日本の気候変動問題に適用します。
- 脱炭素トランジションと持続可能性に関する評価:環境と成長の好循環を踏まえつつ、デジタル化といった革新的イノベーションについて経済的に評価すると同時に、格差など持続可能性に関する多面的な評価を行います。
- 脱炭素トランジションのためのイノベーション・データベース構築:Society 5.0等のデジタル化、水素関連技術、カーボンリサイクリング、新たな産業部門技術は重要なイノベーション技術ですが不確実性を伴います。包括的なイノベーション・データベースを構築し、研究技術開発政策に関する知見を整理します。
研究項目及び実施体制
- テーマ1:技術変化と社会変容に関するシナリオ分析、およびトランジション研究との接合(東京大学)
- テーマ2:脱炭素トランジションの理論的フレームワークと日本への応用
(電力中央研究所) - テーマ3:脱炭素トランジションと持続可能性に関する評価
(京都大学・立命館大学) - テーマ4:脱炭素トランジションのためのイノベーション・データベース構築(日本エネルギー経済研究所・立命館アジア太平洋大学・横浜国立大学)
- テーマ5:トランジションを支える再生可能エネルギーとセクター・カップリング(東京大学)
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