21世紀に入って「気候変動政治 (Climate Change Politics)」への関心が高まり、国際政治学・国際関係論においても研究が求められる時代を迎えました。本研究は、グローバル・サウスの事例を取り上げながら、気候変動と水資源をめぐる国際政治のネクサスを以下の3段階で検討します。
第1に、気候変動による自然の衝撃が社会と政治にどのようなストレスをもたらすか、また、そうしたストレスがいかなる過程を経て社会の不安定化、資源獲得競争、国家の動揺、武力紛争、難民・移民などの現象を引き起こす原因となるのかを問い、気候変動政治のメカニズムを解明します。
第2に、自然の脅威を前に国家、草の根社会がいかなる緩和と適応を行うかを考察し、「気候変動レジリアンス (Climate Change Resilience)」の仮説を提示します。
第3に、「気候変動安全保障 (Climate Change Security)」を中核とする新しい安全保障論と、国連の持続可能な開発目標 (SDGs) とを連携させたグローバル・ガバナンス論を論じ、政策的検討を試みます。
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