介護福祉施設における労働生産性と心理的安全性の評価
【東京大学倫理審査専門委員会 審査番号】
21-375
【研究の概要】
米国における先行研究によれば、従業員の健康に関連する総コストのうち、生産性の損失が4分の3を占めるのに対し、医療・薬剤費は4分の1を占めるに過ぎないという。最大の項目は、プレゼンティーイズム(何らかの疾患や症状を抱えながら出勤してはいるが、業務遂行能力や生産性が低下している状態)であり、大企業の従業員を対象とした先行研究において、生活習慣と心身の健康状態に関する健康リスクの増加に伴い、プレゼンティーイズムが悪化することが報告されている。特に、生産性損失によるコストの大きい症状は、倦怠感、抑うつ、肩こり・腰痛、睡眠障害などの不定愁訴である。
中小企業に勤務する従業員に関しても、健康リスクが高いほど、労働生産性の損失が大きいことが示されている。更に同研究では、仕事に対する熱意や誇りを表すワーク・エンゲイジメントや、職場の一体感が高い従業員ほど、プレゼンティーイズムによる損失が小さいことを明らかにしている。また介護施設においてはチームワークが求められる業務が多いが、企業におけるチームワークに関連しては心理的安全性の評価がされはじめている。
当研究では、チームワークとストレスのかかりやすい感情労働を強いられることの多い職場として知られる介護施設におけるストレス程度や労働生産性と心理的安全性の関連性を紙面によるアンケート調査により実施する。
【研究計画書】
研究計画書
【研究機関名・責任者】
東京大学未来ビジョン研究センター 特任教授 古井祐司
【問い合わせ、苦情などの連絡先】
連絡責任者:特任教授 古井祐司
住所:東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-5841-0934
E-mail: dh-jimu★ifi.u-tokyo.ac.jp
(★→@に置き換えてください)