背景
米国における先行研究によれば、従業員の健康に関連する総コストのうち、労働生産性の損失が4分の3を占めるのに対し、診療・薬剤費は4分の1を占めるに過ぎないと報告されています(Healthy Workforce 2010 and Beyond, 2009)。最大の項目は、労働生産性の損失を表すプレゼンティーイズム(何らかの疾患や症状を抱えながら出勤してはいるが、業務遂行能力や生産性が低下している状態)です。日本の大企業の従業員を対象とした先行研究では、生活習慣と心身の健康状態に関する健康リスクの増加に伴い、プレゼンティーイズムが悪化する構造であることが示されています(東大WG報告書, 2015)。
「健康経営」とは、企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面でも労働生産性の向上などの成果が期待できるとの認識に立ち、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することです。また、国内企業における事業所数では99.7%、従業員数では70.1%を中小企業が占めており、日本全体の労働生産性向上には中小企業の取組が不可欠です。
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