技術ガバナンス研究ユニット

趣旨

今日の科学技術の進歩は著しく、われわれの社会を便利かつ快適なものにしてくれています。しかし、今日の複雑な科学技術には未知の要素も多く、社会に便益ともにリスクももたらします。科学技術の利用に伴う社会的なリスクを回避し、便益を最大化するためには、科学技術研究とその応用のプロセスを適正に制御することが必要です。不充分な規制はリスクを拡大させる一方で、過剰な規制は研究を停滞させる可能性があります。適正な規制のあり方および時代の変化に対応した規制制度のメンテナンスのあり方について、科学技術の社会影響評価(新たなテクノロジー・アセスメント)手法を用いた技術ガバナンス政策の研究及び発信を行います。また、技術を社会に導入していくためには、技術と社会の複合体である既存の社会技術システムを新たな社会技術システムへと移行(transition)していく必要があります。そのような移行プロセスの在り方とそのマネジメントの手法についての研究および発信も行います。

研究内容

技術に関わる多様な技術革新の便益とリスクを俯瞰的に踏まえて行う、技術の社会影響評価(新たなテクノロジー・アセスメント)などの社会意思決定支援の枠組みと、技術や社会の要請の変化に対応した原子力法制等の制度革新のあり方について、関係者の認識を踏まえた上で、制度的課題と制度的選択肢を提示し、社会的政策議論を喚起します。また、技術と社会の複合体である既存の社会技術システムを新たな社会技術システムへと移行(transition)していく際のプロセスの在り方とそのマネジメントの手法についての研究も行います。その際、技術分野としては、原子力や再生可能エネルギーを含むエネルギー技術システム、AIや様々なデジタル技術を含む情報技術システム、食料安全等も含むバイオテクノロジーシステム、宇宙の利活用を含む宇宙技術システム等を幅広く対象として、横断的に検討することで、規制制度等の制度設計、移行プロセスのマネジメントに関する俯瞰的な知見を得ることを目標とします。

プロジェクト
お知らせ